子どもにやさしいまち

国連・子どもの権利条約に基づく
「子どもにやさしいまち」とは?

「子どもにやさしいまち」(Child Friendly Cities)とは、国連・子どもの権利条約(以下、条約)に規定される権利が子どもに保障されているまちで、条約の一般原則(2条 差別の禁止、3条 子どもの最善の利益、6条 生命への権利・生存発達の確保、12条 意見表明)が子どもに保障されていることを基本理念とし、条約を地方レベルで実施するために、自治体の政策・法律・計画・予算等に【子ども】を明確に位置づけているまちのことであり、具体的には、次のことを子どもに保障しているまちであるとされています。

子どもの権利条例等を制定する自治体一覧

2023年5月現在(最新版)

子どもの相談・救済機関一覧

2022年10月現在(最新版)

「子どもにやさしいまち」

①子どもがまちについての決定に影響を及ぼせる
②自分たちが望むまちのあり方について子どもが意見を表明できる
③子どもが家庭・コミュニティ・社会生活に参加できる
④子どもが保健ケア・教育・住居といった基本的サービスをうけられる
⑤子どもが安全な水を飲み、適切な衛生設備にアクセスできる
⑥子どもが搾取・暴力・虐待から保護される
⑦子どもだけで道を安心して歩ける
⑧友だちと会い、遊べる
⑨植物や動物のための緑のスペースをもてる
⑩汚染されていない環境で暮らせる
⑪文化的・社会的イベントに参加できる
⑫民族的出身、人種、所得、ジェンダー、障害にかかわらず、すべてのサービスにアクセスできる平等な市民でいられる

(UNICEF Innocenti Research Centre, BUILDING CHILD FRIENDLY CITIES―A Framework for Action, Florence, 2004)

さらに、上述のようなまちをつくるためには、以下の9つの要素が必要であるとされています。

9 Building Blocks

1.子ども参加の保障 子どもに影響する問題に子どもが積極的に関わることを促進すること、また子どもの意見を聴き、決定過程で子どもの意見を考慮すること。
2.子どもにやさしい法的枠組みをもつこと 常に子どもの権利を守り促進する立法、枠組、手続きをもつこと。
3.まち全体の子どもの権利戦略を策定すること 条約に基づいた「子どもにやさしいまち」をつくるための詳細で包括的な戦略やアジェンダを進展させること。
4.子どもの権利部局を作ること、あるいは調整するしくみをもつこと 自治体において、子どもの視点を優先的に考慮する常設の組織を発展させること。
5.子どもの影響評価を保障すること 子どもに関する法律、政策、実践の影響について事前・事中・事後に評価する体系的なプロセスを保障すること。
6.適切な子ども予算を確保すること 子どものための適切な財源投入と予算分析を確保すること。
7.まちの子ども白書が定期的に出されることの保障 子どもと子どもの権利についての白書において十分なモニタリングとデータ集計を確保すること。
8.子どもの権利を周知すること おとなや子どもに子どもの権利を周知すること。
9.独立した子どもアドボカシーをもつこと 子どもの権利を促進するために、NGOを支援すること、また独立した人権機関―子どもオンブズパーソンや子どもコミッショナー―を発展させること。

(UNICEF Innocenti Research Centre, BUILDING CHILD FRIENDLY CITIES―A Framework for Action, Florence, 2004)

これらの9つの要素の中でも、「1.子ども参加の保障」は、まちづくりのすべてのプロセスと「2.~9.」のすべての要素にとっての基本であるとされています。これらの要素を持つ「子どもにやさしいまち」とは、国によって子どもの置かれている環境は違っても、それぞれの状況下で、条約で規定されている最低限の権利を子どもに保障する体系的な仕組みを整備するまちのことです。

詳しくは、以下のファイルをご一読ください。

 

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(英語版)              (日本語訳:平野裕二)